地方から京大に行くということ②


承前

無事、京大合格を果たした西澤少年、引っ越しやら諸々のタスクを終え、いざ入学!!

それまで市外の同学年の子達との交流はゼロだったので、初めまして都会っ子たち。

未知との遭遇。

京大教育は一学年60人しかいないので、最初は高校のように自己紹介から始まる。

東京、京都、大阪、大阪、福岡、大阪、奈良、たまに岡山、京都、たまに長崎、福岡、たまに岩手、そして長野

西澤少年、当時184㎝、がっちり体型、あがり症のため顔面がっちがち。

「よろしく」が「夜露死苦」に聞こえたかもしれない。

というのも

長野にいても聞こえてくる進学校出身の同級生、

模試の成績優秀者一覧常連の名前、

最初は構えてしまっていたのだ。

これからは世の一軍達と過ごすのかー、舐められないようにせねばーと。

が、その内に気づいた。

「意外とふつー」だと。

本当に関西弁喋ってるー、こっちは「~ったい?」って言ってるし、あっちは「~じゃろ」だってー

等々の方言萌えがひとしきり治まってから冷静に観察してみると「普通」なのだ。当たり前だが。

日常会話で政治や哲学の話はしないし、暇つぶしに数学の問題を解いている奴もいない。

進学校出身だろうが東京出身だろうが、自分と変わらない。

むしろ小中高の同級生より漫画好きだしファッションが好きだ。

中には「幼稚園の時に因数分解やってた」みたいな奴もいたが…。

今でも年1程度で会う良き友人達となった。

受験生の時には「見えない敵」「都会の圧倒的強者」にしか思えなかったが、そこまで恐れることはないと当時の自分に教えてあげたい。

今は地方にいながらそういった子たちとも繋がれる機会がたくさんあるだろう。羨ましい。

京大や他の難関大学を目指すことは何ら珍しいことではないと思えることはすごく大きなメリットなので、同じく地方から難関大を目指す場合は何とかして全国の仲間と繋がろう。

「独りきりで頑張っているのが自分一人ではないと知るためだ」

以前読んだ小説のお気に入りの一節。

次に続く。


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