昨日の投稿では英語でちょっと心配になるタイプの生徒の紹介をした。
では英語の勉強はどのようにしたら良いのか。
割とその答えは明白で、
音読
を英語の学習の基盤に置くべきだ。
いや、昨日紹介した生徒は音読上手だったんでしょ?と思うかもだがちょっと待たれい。
音読の効能を順を追って説明する。
①読解スピードの向上
黙読ではついつい飛ばし読みをしがちだが音読はごまかしが利かない。何回も練習して(ここ重要)つっかからずに読むことができる英文が増えれば増えるほど、長文の読解スピードはぐんぐん向上していく。
②単語が覚え易くなる。
基本的に読めない単語は覚えられない。無理やりにでも自分なりの読み方をすれば覚えられるのでは?と思うかもしれないが、子どもの面倒臭がり屋加減を舐めてはいけない。彼らにとっての英語は我々大人にとってのアラビア語だと思って差し支えない。日本語に照らして何回も練習して(ここ重要)意味と読み方が頭に入っていけばきちんと使える知識になっていく。
Thank youをいちいち「Thankってなんだっけ…youはたしか『あなた』だよな…」と考えることなく、「ありがとう」と受け取れる感覚だ。
③リスニング力の向上
しっかりと音声を聞いてからの音読はリスニング力を劇的に向上させる。そりゃそうだ、今までノータッチだったもの(音声)に触れる機会を増やすのだから。
④発音の正確さの向上=スピーキング力の向上
これも③と同じで、今まで練習してこなかったもの(発音)に真剣に向き合えばそりゃ向上するよねって話。
ということで、
・まず日本語に訳しておく。
・音声を聞く。
・聞こえた通りに発音していく。
・つっかからずに読めるようになるまで練習する。
・その際、英語を発音しながら頭の中では日本語訳が浮かんでいる状態。
この5点を抑えた上での音読練習は非常に実のあるものになる。
では先の音読の上手な生徒は何が良くなかったのか。
答えは1点目と5点目。
スピードだけでなく英作文や内容把握にも音読を役立たせようと思ったら
英語⇔日本語 の循環
を音読中にぐるぐるぐるぐる頭の中で回すことが重要で、
それを経て英文を見た瞬間に内容が自然と浸透してくる瞬間がやってくる。
加えて、フレーズとして英語を使えるようにもなる。
先の生徒にとっての音読は恐らく
英語⇒音 という一方通行
になってしまって、内容が二の次になっていたように思う。
それでもある程度は効果はあると思うが、
やはりどこまでいっても重要なのは母語である日本語の語彙。
そのベースが盤石なものとなって初めて様々な学習が実のあるものとなるのだ。
メリハリでは英語はもちろん
数学だって音読を取り入れる。
英語以上に得意な子、不得意な子で音読に差が出るのではと睨んでいる。

これスムーズに口に出して読めますか?
中3で習う二次方程式の解の公式だけど、これをスムーズに読める子と読めない子、その差は大きい。