ですます調の方が楽かもしれない。
です。
さて、表題の通り今日は塾の話でも勉強の話でもなく、NHKの傑作ドキュメンタリー「ドキュメント72時間」のお話です。
駄菓子屋だったり地域の音楽フェスだったり教習所だったり、そんなどこにでもある場所で72時間の間そこを訪れるふつうの人にただ話を聞くだけの番組なんですが。
私この作品がすーごい好きで、仕事終わりに72時間の録画見ながらビール片手に夕飯をつまむのが至福の時です。
毎回毎回、作り物めいた感じが一切なく地続きの世界の広がりをテレビを通して見せてくれる空気感の良さ。
そして主題歌。
川の~せせら~ぎがきこえる~
これしかない。これ以外にはありえない。
そして本題ですが、昨日も録ってあったのを観ていたんですよ。
最近、というか先週かな、立命館アジア太平洋大学の学生寮の回。
傑作、というか神回とはこれぞという回でした。
様々な国から集まった学生たちが暮らす寮での3日間を追ったドキュメントですが、印象に残ったシーンが2つ。
一つはバングラデシュ(だったと思う)から来た学生がカレーを作っていた所に友人の日本人学生がやってくるのですが、一緒にそのカレーをスプーンではなく手で食べていたシーン。
友人の国の文化を学びたいと、外国の方が日本人に箸の使い方を聞くように、バングラデシュの学生に手の使い方のコツを聞いたりして。
そしてさらにそこに加わった韓国出身のキレイな顔立ちの男子学生も一緒になって手で食べて。
中3の国語の教科書にある「握手」に出てくるルロイ修道士の
「日本人とかカナダ人とかアメリカ人といったようなものがあると信じてはなりません。一人一人の人間がいる、それだけのことですから」
という言葉がいつまでも忘れられないのですが、その言葉を形にして見せてもらえたような。
より一層深く突き刺さったような。
そしてもう一つはラストのシーン。
寮のロビーが映し出され、そこにはアジア系の女子学生もいれば、ヒジャブを頭に巻いた中東の女子、金髪碧眼の西洋の女の子もいたのですが、彼女たちは大学が休みだから連れ立って海に行くのだといいます。
そんな異なるバックグラウンドを持つ彼女たちが一緒に、楽しそうに、よく晴れた寮の外に駆け出していくシーンでその回は幕を閉じていきました。
テレビを通してこれほど美しい光景を観たのは久しぶりな気がします。
これら2つのシーンを通して
そうだよ、俺たち大人が作りたいのはこういう未来のはずなんだよ
と単純な私は目頭を熱くしていました。
気が滅入るようなニュースを日々目にして疲れているのかもしれません。
塾ができることなんてほんのわずかだけれど、生徒達に少しでも人を思いやる姿勢とそのための知性を伝えていけたらいいな。
そんな風に考えて、塾の仕事へのやる気を新たにしたのでした。