生徒の「つまり」は危険信号


塾講師歴は今年で12年目を数えますが、その間、ずーっと悩まされてきた敵がいます。

その代表が英語の

関係代名詞

です。

「私は木の下で本を読んでいる少年を知っています」

の「少年」を修飾する「木の下で本を読んでいる」を担当するのが関係代名詞です。

英語は後ろから前を修飾するため、関係代名詞による修飾部は被修飾名詞の直後に置きます。

したがって「私は+知っています+少年を+木の下で本を読んでいる」という語順になります。

これなら良いんです。

問題は

「木の下で本を読んでいる少年はタケシです」

というパターン。

英語は後ろから前を修飾するため、関係代名詞の修飾部は被修飾名詞の直後に置きます。

英語は後ろから前を修飾するため、関係代名詞の修飾部は被修飾名詞の直後に置きます。

英語は後ろから前を修飾するため、関係代名詞の修飾部は被修飾名詞の直後に置きます。

と初回の授業で1億326万4857回くらいは言ったものですが(もちろんもっと簡単な言葉で)、その次の授業では10人中9人が「木の下で本を読んでいる」の部分を文末に持ってきてしまうのでした。

正しくは「少年は+木の下で本を読んでいる+タケシです」という語順です。

なんでそういう風に書いてしまうのか聞くと一番多いのは「なんとなく」という返答で私を激怒させるのですが、次に多いのが

「しっくりこない」

というもの。

まぁ日本語の感覚でいえばしっくりこないのも分かります。

が。

今きみ達が学んでいるのは英語です。

日本語ではありません。

しっくりこないのは当たり前です。

この当たり前の事実を認めようとせず「しっくりこない」という理由で間違え続ける生徒が一定数いるものです。

今メリハリではこのような変な癖がついてしまう前に、説明を最低限にして英作文を繰り返して体に染み込ませています。先手必勝。

今は関係代名詞を例にとりましたが、根を同じくする問題として「例題の要点をつかまえずにうわべだけ真似して解けない問題」「途中まで正しい答えを書いていたのに『なんとなく』不安になって書き直して結果全て×になる問題」などが挙げられます。

これもほんと~に多くの中学生がやっちまう問題なのです。何人も何人も見てきました(だから今のメリハリの誰か特定の生徒という訳ではないよ‼)。

もう何人も見過ぎて彼らの頭の中も最近では見えるようになりました。

彼らの頭の中では学習の初期段階で

つまりこういうことでしょ

という間違った、もしくは必要のない簡略化が行われています。

関係代名詞の例で言えば、

「関係代名詞って文の終わりにあるなー。よくわからないけど先生も『後ろ』って言ってたし、

つまり関係代名詞は文の後ろに置けばいいんでしょ

です。

きっと先生は「修飾される名詞の直後」と説明したはずですが、残念ながら残るのは単純に変換された「後ろ」という言葉だけです。

要約と簡略化、それも間違った簡略化とはしっかり区別をつけたいものです。

長くなりましたが、特に新しく習う単元の学習最初期では

しっかりと内容を理解した上で

言われたことを言われた通りにやりましょう。

書かれていることを書かれている通りにやりましょう。

教員や塾講師に「生徒の賢さとは?」と問えば大体の人間が「素直さ」と答えるはずですが、その「素直さ」とはこれです。

自分なりのやり方はこの段階を経てしっかり基礎基本が固まってからです。

ここがこうなるからこう。というのを染み込ませれば「なんとなく」なんてことは起こり得ないです。


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