おじさんが青春時代を懐古しているのは中々イタいなと昨日の投稿を読み返して冷静に思う。
それでもいずれ続きを書いてしまったらご容赦くださいな。
さて、前の日曜日に横浜で行われた教務力研究会(PCで「今日無力」という誤変換。研究してみたい)に行ってきたのですが、文字通り塾の教務に加えてもしかしたら一般の方にも役立つのではという内容がたくさんあったので備忘録がてらお裾分け。
5人の登壇者がいらっしゃって順に①~⑤とする。
⓪まず会場が神奈川でも有数の実績を誇る個人塾。なのですが…。たぶんスペースがウチと同じくらい、なのに学習机と椅子のセットが何これ40セットくらいない?こちらは20セットが限界かなーと思っているのに普段どうやってるの?
①1人目は「3人の子どもを推薦や総合型選抜で国公立大学(2人医学部)に送り出した塾屋の話」。子育てではとにかく知的興奮と刺激を与えることを大事にされていたそう。漫画をたくさん置いたり図書館に行ったり、また、ペンを持たせたりおはじきで遊んだり指を使うことを重視していたとのこと。そして一番効果的なのはやはり旅だと。幼い頃から海外へ旅をし、高校1年生の頃にはアメリカ、2年生ではヨーロッパで1人放浪の旅をさせていたそう。もちろん勉強も大事にされていて、旅と勉強の時間を確保するため運動系の部活は避けたという徹底ぶり。
②2人目の方は数学に関して一家言ある講師で自身のことを「過去問を解き狂っている鬼」と称していた。なんとその数述べ1万校ほどだと。そのおかげで生徒1人1人に合わせて必要な過去問を「この学校のこの年度」と指定できるらしい。鬼である。鬼曰く「高校数学で皆がつまずくのは中学数学がちょろすぎるからであって、もっと問題を解き狂い、経験値で殴れるようにならなければならない」とのこと。「~で殴る」のスラングが分かりにくいかもしれないが、センスなどではなくとにかく解いた問題数、経験であらゆる問題を解けるようになれという意味。
③今回、この3人目の方のお話が聞けただけでこのセミナーに参加した甲斐があった。本職はお坊さんらしいが見た目は完全にヘビメタバンドのギターである。実際、この日もチリチリのパーマにローリングストーンズのアレのパロディTシャツ(というかセミナーなのにやっぱりスーツの人が1人もいなかったのはさすが個人塾界隈)。しかしながら話しぶりから溢れる知性や教養は確かなもので、ちょっと勝てない人だと分かった。映画の授業をして国語の偏差値を上げるってどういうこと…?内容的には塾の教務の話に全振りだったので割愛するけれど、やはり世の中にはとんでもない人はいるし、とんでもない塾はある。
④そして4人目の方は完全なるダークホース。事前に聞いていた概要的にはうちの現状とはあまり関係がないかと油断していたら「学ぶ」ということの本質が詰まった講演だった。まず前提としてこの塾長がやっているのは「女子専用の中学受験塾」、かつ「ボードゲームを利用している」とのこと。かする部分が1つもない。のに、話が上手すぎて50分聞き入ってしまった。曰く、「考える力、そして決める力がない子はいつまでも受験が自分事にならない。そしてその力は10歳前後の子がいきなり机に向かって育つかというとそれは難しい。それを解決するのがボードゲームなんです」とのこと。ボードゲームのルールをまず理解しようとする、そして一発で理解するのは難しい、かつ、論理的に考えれば答えが出るものでもない、でもその状況でもえいやと意志を決めて進めていく、そういう経験をボードゲームを通して積ませたいんです、と。帰宅後、妻と4歳の息子が神経衰弱をやった際、息子がカードをめくるのを恐がっていたという話を聞いて「なるほどな~」と思った次第。
そして最大の名言が
「経験値は複利、ただし負の経験にも複利作用がありそれは子どもの中で負債となる。」
⑤最後は神奈川は川口市に「帝国」を築いた御大のお話。一番オーソドックスなお話で、今私がやっていることの方向性は間違っていないと思わせてくれる内容でした。